【違い・特徴】ニューヨークスタインウェイとハンブルグスタインウェイ《外装・見ため・見分け》#1
皆さんこんにちは、ピアノ調律師のタケです。
今回はよくご質問を頂く事の多い、ニューヨークスタインウェイとハンブルグスタインウェイの違いについて、3回にわたってお話ししてみようと思います。
1回目の今日は、【見た目・外観の違い】についてお話しします!
※ページの最後に、解説動画もありますので、そちらの視聴も忘れずに♪
目次
ニューヨークスタインウェイとハンブルグの違い ♯1 【見た目・外観の違い】
ハナコさん、こんにちは。
今日は素敵なピアノ弾いてますね。
タケさん、こんにちは。
スタインウェイを弾いています♪
ところで、ハナコさん。
スタインウェイには、ニューヨークスタインウェイとハンブルグスタインウェイがあるんですけども、それの見た目の違いについて知ってます?
見た目ですか?
ニューヨークスタインウェイによくあるのが、艶消しで、ボディーが角張ってたりして、ちょっとクールで格好いいですよね。
そうですね。
その辺も目立つところなんですけども、ニューヨークスタインウェイとハンブルグスタインウェイは見た目でいろいろ違いがあるんです!
他にもあるんですか?
はい。
表面から見るだけでも結構あるので、今日はそのことをお話ししましょう!
はい、ぜひ教えてください♪
1.ペダルボックスの違い
それでは、ハナコさん。
まずは、ペダルの所を見てください。
ペダルですか?
一目でわかりますが、デザインが違います。
左の方は、金属のプレートが入ってますね?
はい。
この金属のプレートが入っている方がニューヨーク製です。
ハンブルグ製にはフルコンと言わず、どんなサイズのグランドピアノにおいても、このプレートはありません。
そんな見分け方があったんですね。
ここの部分をペダルボックスと呼んでいます。
このペダルボックスの前面に、今は真鍮の金色のプレートが入っています。
ニューヨーク製のスタインウェイには必ず入っていて、時代によっては銀色のシルバーのプレートの場合もあります。
こちらはハンブルグ製のスタインウェイのペダルボックスです。
ハンブルク製は普通の塗装のままで、小さいグランドでもフルコンでも、プレートは全くないんです。
そんな違いがあったんですね‼
表面的には、これが一番はっきりする見方かもしれませんね。
分かりやすいですね。今後はペダルに注目してみます!
2.鉄骨のツブツブ
それではハナコさん。
次はこちらの鉄骨を見てみてください。
まず、これがニューヨークスタインウェイの鉄骨です。
何かあちこちにツブツブのようなものがあるのが見えますか?
実はこれニューヨーク製だけの特徴なんです。
現在の新しいニューヨークスタインウェイ、ハンブルグスタインウェイは同じような鉄骨になってしまったので、現代のピアノにはありません。
ただ、昔の古いニューヨーク製は、こういうツブツブのデザインの鉄骨でした。
そうなんですね!?
次に、ハンブルグ製の鉄骨です。
すっきりしてますね。
はい。
ニューヨークスタインウェイに見られるツブツブは一切ないんですね。
もちろん、サイズ的には同じものですが、鉄骨のデザインが全然違うんです。
ツブツブのデザインは、時代によって多少多かったり、少なかったりという時代があるので、一概には言えませんけれども、中古のスタインウェイを探してる方は、あのツブツブのニューヨーク製が欲しいとわかっている方もいます。
3.大屋根の支え棒のデザイン
さて、今度は大屋根を支える「支え棒」を見てみましょう。
今見てもらっているのがニューヨーク製です。
下の部分のデザインをよく見てください。
ちょっとバイオリンを思わせるような、シェイプが格好いいですね。
次に、これがハンブルグ製の大屋根の支え棒です。
ニューヨーク製のスタインウェイに比べて、形がシンプルですね。
そうですね。
耐久性を持たせる為に下の方が太くなっていて、上に行くにつれ、だんだん細くなるという作りになっています。
4.譜面台の形式
次は譜面台を見てみましょう!
ではハナコさん。
まずこの譜面台を立ててみてください。
あれ?こちらの譜面台は、手前から起こすんですね⁉
そうなんです。
ハンブルグ製のスタインウェイと全く逆なんです。
ニューヨーク製には、手前から起こすタイプとハンブルグ製同様に奥から起こすタイプの2つの譜面台の形式があります。
それともう一つ大事な特徴として、両方とも譜面台を立てたら角度が変わりません。
立てたら、その角度のままなんです。
それでは、次にハンブルグ製の譜面台を見てみましょう。
これは奥から手前ですね。そして角度も変えれますね。
そうですね。
段階式に角度もつけることができて、立てたり寝かせたりできますよね。
ハンブルグは全てこのタイプです。
5.艶あり・艶消しのピアノについて
基本的には
・ニューヨーク・スタインウェイは艶消し
・ハンブルグ・スタインウェイは艶ありです。
但し、修理の時にお客様が、「艶消しを艶ありにしたい」、あるいは「艶ありを艶消しにしたい」と希望したり、または修理業者が「艶あり」、「艶消し」と決めて修理した結果、色々混じってしまうこともあります。
新品のスタインウェイを購入する際、お客様がどうしてもニューヨーク製の艶ありが欲しい、ハンブルグ製の艶消しが欲しいという場合は、メーカーに注文すれば作ってくれます。
そうなんですね。
この艶あり、艶消しはアメリカの人、ヨーロッパの人の好みもやっぱりあるんですか?
ヨーロッパでは、やはり艶ありの方がピカピカで格好いい、格調高い。
逆にアメリカでは艶消しの方が、格好いい、格調高いという文化があるようです。
そういうイメージがあって艶あり、艶消しに分かれていると聞いたことはあります。
タケさん、今日はスタインウェイのニューヨーク製、ハンブルグ製それぞれの【外装・見ため】の違いを教えてくれてありがとうございました。
普段何気なく演奏していましたけど、違いがわかるとより演奏が楽しくなりますね!
また次回もいろいろと教えてください♪
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