ベヒシュタイン の歴史
1826年ベヒシュタイン創業者カール・ベヒシュタインが誕生
1826年、ドイツ・ザクセン州で後のベヒシュタイン創業者、カール・ベヒシュタインが誕生しました。その後、当時のピアノ造りの最先端を行くメーカーであったプレイエル社(フランス)の工場で修業しピアノ造りのノウハウを学び、ロマン派の全盛期であった19世紀半ば(1853年)にベルリン(ドイツ)でベヒシュタイン社を設立しました。
この年、偶然にも後のライバル社となるスタインウェイ&サンズ社(ニューヨーク)、ブリュートナー社(ライプツィヒ)も創業しました。
1857年、ハンス・フォン・ビューロ(フランツ・リストの弟子で後のベルリンフィルハーモニー管弦楽団の常任指揮者)がベヒシュタインのピアノを評価したことから一躍認知されるようになり、師匠のリストもベヒシュタインピアノを愛奏するようになりました。
1880年にはベルリンの工場を拡張し、1885年にはロンドン支店を設立。1900年頃には生産のピークを迎え、年間3,500台のピアノを生産しました。
また1892年にはベルリンに、1901年にはロンドンに「ベヒシュタイン・ホール」を設立し、クラシック音楽文化の発信地としての役割を担っていきました。
第二次世界大戦に入り、ドイツは敗戦国となりベヒシュタインの経営権は連合軍の手に渡った後、1963年にはボールドウィン社(アメリカ)がベヒシュタインを買収しましたが、1986年にドイツのピアノマイスターで実業家カール・シュルツがベヒシュタインをドイツ人の手に戻し、かつての価値を再び取り戻すことに成功しました。
1992年には「ザクセンピアノ製造会社」の経営権を引き継ぎ、1996年にはベヒシュタイン社は上場株式会社へと発展。以来ザクセン州ザイフェナースドルフで、グランドピアノとアップライトピアノの製造拠点とし、ベヒシュタイン=「ドイツ製」という明確なモットーの元にヨーロッパ最大のピアノメーカーとして伝統を受け継ぐことに成功しました。
現在では数少ない純然たるヨーロッパ製ピアノであり、ヨーロッパ諸国をはじめアメリカ、ロシアなど世界50カ国以上で愛奏されています。