ピアノコンシェルジュ ご紹介! ATLAS(アトラス)/津軽 ピアノレビュー
多様なデザインがあるアップライトピアノ
ありきたりなデザインのものではなく、珍しいピアノにも魅力を感じている方もいらっしゃることかと思います♪
今回は伝統工芸・津軽塗を施した【ATLAS(アトラス)/津軽 】をご紹介します。
まずはスペックから
スペック
高さ | 132cm |
---|---|
幅 | 156cm |
奥行 | 64cm |
製造国 | 日本 |
ブランド
まずこのアトラスというブランド、皆様ご存じでしょうか?
音楽の街・静岡県浜松市で作られたブランドで、現在はもう製造されていないブランドになります。
以前はヤマハ・カワイに次ぐ立ち位置におり、国立音楽大学の指定工場だったことでも知られています。
さらに一つ一つ丁寧な手作業でピアノづくりをすることにこだわっており、人々からの信頼も厚いメーカーでした。
音作りにおいては『音響学』を取り入れており、人にとって心地よい音色を創ることにいかにこだわっていたかが伝わってきますね♪
津軽塗とは?
さて今回ご紹介する『津軽』は、伝統工芸の津軽塗によって外装が彩られています。
では津軽塗とはいったいどのようなものなのでしょうか?
津軽塗は現在の青森県、津軽地方で3百年以上の歴史を誇る伝統漆器です。
寛文年間の頃の津軽藩において産業開発に為に興されたものであると伝わっていますが、この『津軽塗』という言葉が付いたのは明治6年に開催されたウィーン万国博覧会で青森県が津軽塗の名称で出品、受賞したことがきっかけといわれております。
「研ぎ出し変わり塗り」という漆液を塗って研ぎ、磨く作業を40回ほど繰り返し行うという膨大な手間・時間をかけてつくられることから、別名『馬鹿塗』ともいわれています。
なんとその製作期間3~6か月!!
職人の執念と技巧を感じずにはいられません。
そんな津軽塗は総称で、様々な塗り方があります。
このピアノ『津軽』に採用されているのは、現代まで広く親しまれており、津軽塗の代表格とも称される『唐塗』です。
この『唐』は優れたものという意味を持ちます。
斑点模様で複数の色を浮かび上がらせた美しい外観で、何とも言えない妖艶な雰囲気を醸し出しています。
音色
このピアノは高さが132㎝と、アップライトピアノの中で最も響きを感じられる高さを持っています。
軽く遠くに伸びていくように感じられる音色で、目の前の景色とともに夢の中に溶け込んでいくような感覚がありました。
低音は重厚感が感じられ、全体を通して非常にバランスの良いピアノだと感じます。
音色を左右するハンマーには上級機種に使用される『レンナーハンマー』が採用されており、見た目だけでなく音色にもこだわりが見られますね♪
いかがでしたでしょうか?
音楽と伝統工芸の技術を融合させたATLAS『津軽』
その魅力にあなたも心奪われることでしょう。