”ピアノの心臓部”とも呼ばれるピアノのアクション。
約7000個の部品が使用され、その形状や素材によって音色やタッチが変化する大変繊細なつくりをしています。
そのため素材選びや緻密な設計が重要になってくるピアノの部品です。
さて、カワイの現行モデルには”ウルトラ・レスポンシブ・アクションII”が採用されています♪
名前は聞いたことあるけど何が違うの?という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
本日はこの『ウルトラ・レスポンシブ・アクションII』の魅力をご紹介します!
・アクションってどんな部品?
アクションとは鍵盤を打鍵して、ハンマーが弦にあたって音が鳴り、鍵盤から指を離して音が止まる仕組みのからくり部分になります。
冒頭でもご紹介しましたが、非常に小さい部品が組立・接着され、1台のピアノに約7000の部品によって成り立っているんです♪
そして皆様、アップライトピアノとグランドピアノで構造が違うことはご存じでしょうか?
アップライトピアノは床に対して垂直に取り付けられ、ハンマーは横から弦をたたく構造になっています。
対してグランドピアノは床に対して水平に取り付けられ、ハンマーは下から弦をたたく構造になっているんです。
※このアクション模型はショールームに展示されているので是非ご来店いただいた時に実物をご覧ください♪
グランドピアノのアクションは下から弦をたたくことによって、打弦後、自重で下がり再度打弦できるため、1秒間に14回もの高速連打が可能になっているんです!
アップライトピアノはスプリングなどの補助装置を使用してハンマーが戻るため、グランドピアノの2分の1の、1秒間に7回の連打になっています。
・ウルトラ・レスポンシブ・アクションIIって何がすごいの?
カワイ現行モデルに採用されている『ウルトラ・レスポンシブ・アクションII』ですが、最大の特徴は使用される素材にあります。
従来、ピアノのアクションには木材とフェルトが使用されているのが一般的でした。
しかし、カワイ特有の深みのある音色はそのままに、タッチを軽く、耐久性にも優れたアクションを作りたい!と何年もの歳月をかけて研究し、音色に干渉しない部分への素材として写真の黒色部分、『ABS樹脂』という素材にたどり着きました。
軽量化による軽いタッチ感、木製では得られない精度、強度、耐久性、均質性などを長期に渡って享受することが可能にしたカワイの技術をつぎ込んだアクションなんですね♪
この『ABS樹脂』という素材はアクリルニトリル・ブタジエン・スチレンの3種類の石油化学製品の特徴を組み合わせ共重合させた樹脂プラスチック素材です。
・塗装しなくても表面が綺麗
・加工性が非常に高い
・成分を追加することで様々な特性を加えられる
ことが特徴として挙げられます♪
塗装が必要ないため、塗装による重さが軽減され、見た目としても美しく、アクション部品の形状は音色を左右する重要な要素になるため、加工性が高いことにより設計通りの形状を大量生産することが可能になっています。
さらに成分を追加することで特性を加えられるため、このウルトラ・レスポンシブ・アクションIIに使用されるABS樹脂には、航空機にも使用される『炭素繊維』を追加することで、さらに素材の軽量化を図りました。
これによりタッチ感の軽量化に成功したんですね♪
実はピアノのアクションはカワイ初代社長・河合小市氏が日本で初めて開発し、これによりピアノの国産化が大きく進んだともいわれています。
多くの開発者・設計者の想いが込められ、こだわりぬかれたこの『ウルトラ・レスポンシブ・アクションII』。
皆様にも想いや魅力が伝わりましたでしょうか?
”ウルトラ・レスポンシブ・アクションII”が採用されているカワイのピアノはグランドギャラリーにも展示されています♪
是非皆様もそのタッチ感や音色を感じてみてくださいね🎹